ジメジメする日にエアコンをつけるとき、冷房と除湿のどちらを選べば電気代が安く済むのか迷う方は多いはずです。同じ「涼しくする」機能に見えて、消費電力の傾向ははっきり違います。

この記事では方式ごとの電気代の違いと使い分けの目安を整理し、あわせて「となりのインフラ」に投稿された実際の電気代データから夏の相場感も紹介します。

冷房と除湿はどっちが安いかの結論

冷房と除湿のどちらが安いかは、お使いのエアコンが搭載している除湿方式で決まります。除湿には大きく分けて3つの方式があり、そのうち「弱冷房除湿」は冷房より消費電力が小さくなりやすい一方、「再熱除湿」は冷房より高くつくことがあります。つまり「除湿だから冷房より安い」と一律に言い切ることはできず、まずは自宅のエアコンの方式を知ることが出発点になります。

電気代が安い順の目安

各社の解説をまとめると、電気代はおおむね弱冷房除湿、ハイブリッド除湿、冷房、再熱除湿の順に高くなる傾向があります。ただしこれは同じ部屋・同じ時間で運転した場合の相対的な傾向で、設定温度や外気温によって順序が入れ替わることもあります。以下の表は執筆時点で一般に紹介されている目安をまとめたもので、機種の年式によっても変わります。

運転モード電気代の傾向向いている場面
弱冷房除湿最も安くなりやすい気温は高くないが湿度が高い日
ハイブリッド除湿中間室温を下げすぎたくない日
冷房設定温度との差で変動暑さそのものを解消したい日
再熱除湿高くなりやすい肌寒い梅雨時に湿気だけ取りたい日

設定温度による電気代の逆転

冷房の電気代は、室温を設定温度まで下げるためにどれだけ働いたかで決まります。真夏に外気温との差が大きい状態から一気に冷やす場合は消費電力が大きくなりますが、部屋が涼しくなった後は運転が穏やかになり、電気代の伸びも落ち着きます。そのため冷房を28度前後の高めの設定で使う日と除湿を長時間動かす日を比べると、冷房のほうが安く収まる場合もあります。

冷房と除湿の仕組みの違い

電気代の差を理解するには、2つのモードが何を目的に動いているかを知っておくと分かりやすくなります。冷房も除湿も、室内の空気を冷やして水分を結露させるという基本の動きは同じです。違いは、その後の空気の扱い方と、温度と湿度のどちらを優先して制御しているかにあり、この差がそのまま消費電力の差につながります。

冷房は室温を下げる運転

冷房は設定温度を目標にして、室内の熱を屋外へ運び出す運転です。空気を冷やす過程で水分も同時に取り除かれるため、結果として湿度も下がります。温度を優先して制御するので、部屋が設定温度に届くまでは強めに運転し、その後は必要な分だけ動く仕組みになっており、立ち上がりの消費電力が大きくなりやすいのが特徴です。

除湿は湿度を下げる運転

除湿は室内の湿度を下げることを目的にした運転です。空気を冷やして水分を結露させ、水として屋外に排出します。室温を大きく下げることは主目的ではないため、冷房ほど強い運転をしない方式もあり、その場合は消費電力も抑えられます。一方で室温を保つためにひと手間かける方式もあり、その工程の有無がそのまま電気代の差として現れます。

体感温度は温度だけでなく湿度にも左右されます。同じ28度でも湿度が70%と50%では涼しさの感じ方が変わるため、湿度を下げるだけで快適になるケースがあります。

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除湿の方式ごとの電気代の違い

除湿と一口に言っても、エアコンに搭載されている方式は機種によって異なります。方式が違えば消費電力も体感も変わるため、自宅のエアコンがどれに当たるかを知っておくと運転モードの選択が的確になります。冷やした空気に室内の空気を混ぜて温度を戻すハイブリッド除湿を含めると3方式あり、確認する方法は次のとおりです。

  • 取扱説明書で「除湿」「ドライ」の項目を読む
  • 型番でメーカー公式サイトの仕様表を確認する
  • リモコンに独自名称があればその名称で検索する

弱冷房除湿の特徴

弱冷房除湿は、冷房を弱めた状態で運転して湿度を下げる方式です。多くの普及価格帯のエアコンが採用しており、消費電力は3方式のなかで最も小さくなりやすいのが特徴です。室温も少しずつ下がるため涼しさと除湿を両立でき、こまめに入り切りを繰り返すより連続運転のほうが、消費電力は安定しやすい傾向があると紹介されています。

再熱除湿の特徴

再熱除湿は、冷やして水分を取り除いた空気を、室内に戻す前にもう一度温め直す方式です。室温を下げずに湿度だけを落とせるため、梅雨時の肌寒い日や小さな子どもがいる家庭でも使いやすくなっています。その一方で冷やす工程と温める工程の両方でエネルギーを使うため、快適性と引き換えに電気代がかかる方式だと理解しておく必要があります。

冷房と除湿の使い分けの目安

方式の違いが分かったら、次はその日の天候に合わせた使い分けです。判断の軸はシンプルで、つらいのが「暑さ」なのか「ジメジメ」なのかを見極めることに尽きます。快適に過ごせる湿度は一般に40%から60%程度とされているため、温湿度計を部屋に置いて数値で判断すると、その日の体調や気分に左右されずに決められるようになります。

暑さがつらい日は冷房

室温が28度を超えて汗が出るような日は、素直に冷房を使うのが妥当です。除湿で室温を下げようとすると運転時間が長引き、かえって消費電力がかさむことがあります。設定温度は下げすぎず、まずは27度から28度あたりで様子を見て、それでも暑ければ1度ずつ下げて調整していく進め方が、電気代の面でも扱いやすくなります。

梅雨や部屋干しの日は除湿

気温はそれほど高くないのに空気が重く感じる日は、除湿の出番です。特に室内で洗濯物を干す日は、洗濯物から出た水分で湿度が上がりやすく、カビや部屋干し臭の原因にもなります。室温を下げずに湿度だけを落とせるため、冷房で体を冷やしたくない場面や、朝晩がまだ涼しい時期の湿気対策にも向いている運転モードだと言えます。

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実際の投稿データで見る夏の電気代

ここからは「となりのインフラ」ならではのデータです。当サイトに投稿された全国のインフラ構成のうち、電気の契約が登録されている241件を集計し、世帯タイプ別と間取り別の月額を出しました。金額は投稿者が申告した月額で、季節や地域、契約条件が混在しているため、厳密な統計ではなく、近所の家庭の水準を知るための参考値としてご覧ください。

世帯タイプ別の平均電気代

世帯タイプごとに集計すると、人数が増えるほど金額が積み上がる傾向がはっきり出ました。単身と2人暮らしの差が約3,200円、2人暮らしとファミリーの差が約3,800円と、いずれも同程度の開きになっています。エアコンの台数と稼働時間が増えることが要因のひとつと考えられ、使い分けの効果も世帯が大きいほど出やすくなります。

世帯タイプ投稿件数電気代の平均(月額)
単身78件5,544円
2人暮らし80件8,719円
ファミリー83件12,566円

間取り別の平均電気代

間取り別で見ると、部屋数が増えるほど金額が上がる関係が出ています。冷やす空間が広くなるほどエアコンの負担が増えるため、モードの使い分けによる節約の効果も大きくなります。特に2LDK以上では複数台を同時に動かす時間帯が生まれやすく、運転の見直しが月額に反映されやすい環境だと言えます。なお件数は執筆時点のものです。

  • 1R・1K(45件)は5,502円
  • 1LDK(68件)は7,110円
  • 2LDK以上(78件)は10,324円
  • 戸建て(50件)は12,730円

最も安かった実例

集計対象のなかで最も電気代が安かったのは、福岡県の1R・1Kにお住まいの単身の方で月額3,600円でした。また京都府の1LDKにお住まいの方は、在宅ワークでエアコンをほぼつけっぱなしにしながら月額4,800円に収めています。ここから読み取れるのは、運転モードの選び方だけでなく契約している料金プランも結果を左右しているという点です。

在宅ワークなので起きるのはだいたい11時くらい。そこから日付が変わるまで家にいてエアコンも付けっぱなしですが、オクトパスの深夜割引プランのおかげで電気代を抑えられてます。(京都府・20代・単身の投稿より)

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冷房と除湿の電気代を下げる方法

モードの使い分けに加えて、運転の設定や日々の手入れでも電気代は変わります。どれも特別な機器を買い足さずに始められるもので、組み合わせるほど効果が積み上がります。なお、ここで挙げる効果はいずれも一般に紹介されている目安で、住まいの断熱性能やエアコンの年式によって結果は変わるため、実際の効果はご自宅の環境で確かめてみてください。

風量と設定温度の見直し

風量を弱に固定すると設定温度に届くまで時間がかかり、結果的に運転が長引くことがあります。自動運転にしておけば、立ち上がりは強め、安定後は弱めと機械側が調整してくれるため効率的です。設定温度についても、1度上げるだけで消費電力の削減につながるとされており、冷房でも除湿でもまず試しやすい工夫だと言えます。

サーキュレーター併用とフィルター掃除

冷たい空気は床付近にたまりやすいため、サーキュレーターで空気を循環させると部屋全体の温度が均一になります。同じ設定温度でも涼しく感じられるので、設定温度を上げる余地が生まれます。あわせてフィルターのほこりを取り除くと風の通りがよくなり、同じ冷房効果を得るために余計な電力を使わずに済み、除湿運転のときも同じことが言えます。

  • フィルターは2週間に1回を目安に掃除する
  • 室外機の周囲30cm程度には物を置かない
  • 直射日光が当たる室外機は日よけで温度上昇を抑える

電気の契約プランの見直し

使い方を工夫しても、契約している料金プランが生活時間帯と合っていなければ効果は限定的です。夜間の単価が安いプランや基本料金がかからないプランなど、選択肢は地域によって複数あります。先ほどの実例のように、同じ使い方でもプラン次第で月額の水準は変わるため、使い方の工夫と契約の見直しはあわせて考える価値があります。

検討にあたっては、現在の使用量と時間帯を把握したうえで、各社の公式サイトで最新の単価を確認することをおすすめします。料金は改定されることがあるためです。

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まとめ

冷房と除湿のどちらが安いかは、エアコンが搭載している除湿方式で答えが変わります。弱冷房除湿なら冷房より安く、再熱除湿なら冷房より高くなりやすい、というのが基本の理解です。そのうえで、暑さがつらい日は冷房、ジメジメがつらい日は除湿という使い分けを習慣にすると、必要以上に強い運転を続けずに済み、無駄を減らせます。

記載した金額はいずれも執筆時点の投稿データと一般的な目安です。契約プランの単価は改定されることがあるため、実際の切り替え前には各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。