引っ越し費用の相場は、執筆時点の目安で一人暮らしが約6万〜8万円、2人暮らしが約10万〜13万円です。同じ人数でも、3〜4月の繁忙期か、それ以外の通常期かで2万〜6万円ほど差が開きます。

この記事では、人数・距離・時期別の料金相場を表で整理したうえで、敷金や礼金を含めた総額の目安まで解説します。あわせて「となりのインフラ」に投稿された241件の実データから、引っ越し後に毎月かかる固定費の相場も紹介します。

引っ越し費用の相場は人数と時期で決まる

引っ越し業者に払う料金は、運ぶ荷物の量と移動距離、そして依頼する時期の3つでほぼ決まります。荷物の量は世帯人数に比例しやすいため、まずは人数別の相場を押さえておくと自分の予算感をつかみやすくなります。以下の金額は、引越し見積もりサイトのSUUMO引越しが公開している口コミデータ(2025年9月時点)の全距離平均です。

世帯人数通常期(5〜1月)繁忙期(2〜4月)差額
単身(荷物少なめ)57,971円77,022円約1.9万円
単身(荷物多め)78,697円106,530円約2.8万円
2人家族103,027円134,005円約3.1万円
3人家族126,612円174,876円約4.8万円
4人家族169,047円232,157円約6.3万円

出典はSUUMO引越し「引越し見積もり費用の相場」です。集計方法や時期によって数字は変わるため、あくまで予算を立てるための目安として見てください。

単身・一人暮らしの相場

一人暮らしの引っ越しは、通常期で約5.8万〜7.9万円、繁忙期で約7.7万〜10.7万円が目安です。「荷物少なめ」は冷蔵庫・洗濯機・ベッドと段ボール10〜20箱程度、「荷物多め」は家具が増えて2トントラックが必要になるイメージです。家具を持たない学生や社会人1年目なら、単身パックやコンテナ便を使ってさらに下げられる場合もあります。

2人暮らしの相場

2人暮らしの相場は、通常期で約10.3万円、繁忙期で約13.4万円です。同棲や結婚を機に2つの部屋の荷物を1つにまとめるケースでは、搬出先が2か所になるぶん作業時間が延び、見積もりが上がりやすくなります。重複する家電は引っ越し前に処分するか、どちらか一方を売っておくと、運ぶ量と料金の両方を減らせます。

3〜4人家族の相場

3人家族は通常期で約12.7万円、4人家族は約16.9万円が目安です。繁忙期になると4人家族では約23.2万円まで上がり、通常期との差は6万円を超えます。子どもの入学や転勤で3〜4月に動かざるを得ない家庭が多いため、日程を動かせない場合ほど、早めの見積もり依頼と複数業者の比較がいっそう重要になります。

繁忙期と通常期の差額は、単身で約2万円、家族になると5万〜6万円に広がります。時期を1か月ずらせるだけでも、見積もりが大きく変わる可能性があります。

距離と時期で変わる引っ越し費用の相場

人数が同じでも、移動距離と引っ越しの日取りで料金は上下します。長距離ほどトラックの拘束時間と燃料費がかさみ、繁忙期や土日は需要の集中で割増がつくためです。ここでは距離・月・曜日と時間帯の3つの切り口から、相場がどのように動くのかを順番に確認していきます。自分で動かせる条件がどれかを見極めることが、費用を抑える第一歩になります。

移動距離別の料金の目安

通常期の料金を距離別に並べると、同一市内に近い15km未満と200km以上では、単身で約1.5〜2倍の差があります。2人家族の500km以上の長距離では約18.8万円となり、近距離の2倍を超える水準です。距離は勤務先や学校の都合で変えにくい条件なので、時期や荷物量など、ほかの条件で調整する余地を探すのが現実的です。

移動距離単身(荷物少なめ)2人家族
15km未満49,847円79,098円
50km未満47,160円91,936円
200km未満61,648円128,929円
500km未満69,369円153,311円
500km以上89,162円188,217円

3月と4月が高くなる理由

月別で見ると、単身(荷物少なめ)は3月が約8.3万円と最も高く、12月が約5.4万円と最も安くなっています。3〜4月は進学・就職・転勤が重なり、業者のトラックと作業員が足りなくなるため、通常期と同じ条件でも強気の見積もりが出やすい時期です。予約自体が取れないこともあるので、この時期に動く人は1か月以上前から準備を始めると安心です。

曜日と時間帯による差

曜日による差は想像より小さく、同じデータでは平日と土日の平均がほぼ同水準でした。一方で時間帯の影響は大きく、単身の場合は朝8時開始が約7.1万円、15時開始が約5.1万円と2万円ほど差があります。開始時間を業者に任せる「フリー便」や午後便を選べるなら、当日の予定に余裕を持たせたうえで選択肢に入れる価値があります。

  • 午前便は人気が高く、割高になりやすい
  • 午後便・フリー便は開始時刻が読めない代わりに安くなりやすい
  • 祝日や月末、大安の日は予約が集中しやすい

引っ越し費用の相場を左右する料金の内訳

見積書の金額は、いくつかの費目の積み上げでできています。内訳を知っておくと、どこを削れるのか、どこが業者ごとに違うのかを見比べやすくなります。国土交通省の標準引越運送約款にもとづき、多くの業者は「運賃」「料金」「実費」の区分で見積もりを出しており、項目名を見れば何にお金がかかっているかが読み取れます。

基本運賃と割増料金

基本運賃は、移動距離に応じた「距離制」か、作業時間に応じた「時間制」で計算されるのが一般的です。おおむね100km以内の近距離は時間制、それを超える長距離は距離制が使われます。これに繁忙期や土日祝日、早朝・深夜の作業に対する割増料金が上乗せされるため、同じ荷物でも日取りによって総額が数万円単位で変わることがあります。

実費と付帯サービス料

実費は作業員の人件費や段ボールなどの梱包資材費、高速道路代などです。付帯サービスは、荷造り・荷解きの代行、エアコンの取り外しと取り付け、ピアノなどの重量物の輸送、不用品の引き取りといったオプションを指します。見積もりの差が大きいときは、この付帯サービスの有無が原因になっていることが少なくありません。

  • エアコンの移設は1台あたり1万〜2万円前後が目安
  • 荷造り代行は荷物量に応じて数万円単位で加算される
  • 段ボールは一定数まで無料の業者も多い

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引っ越し費用の総額と初期費用の相場

業者に払う料金は、引っ越し全体でかかるお金の一部にすぎません。賃貸に住み替える場合は、新居の契約にかかる初期費用のほうが業者の料金より大きくなるのが普通です。総額の予算を立てるときは、業者の料金・初期費用・家具家電・旧居の退去費用の4つを合わせて考え、どれか1つに偏らないよう全体で配分を決めていきます。

賃貸契約の初期費用の目安

賃貸の初期費用は、家賃の4.5〜6か月分がひとつの目安とされています。家賃8万円の部屋なら、36万〜48万円ほどを見込んでおく計算です。内訳は敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・火災保険料・保証会社の利用料などで、物件ごとにかかる項目が異なります。敷金・礼金ゼロの物件や仲介手数料が安い物件を選べば、ここを大きく圧縮できます。

  • 敷金と礼金はそれぞれ家賃0〜1か月分程度
  • 仲介手数料は家賃0.5〜1か月分(税別)程度
  • 前家賃は入居月と翌月分がかかることが多い
  • 火災保険料と鍵交換費用はそれぞれ1万〜2万円程度
  • 保証会社の利用料は家賃0.5〜1か月分程度

家具・家電と退去費用

一人暮らしを新しく始める場合、家具・家電の購入費は5万〜15万円程度が目安です。住み替えの場合でも、カーテンのサイズや照明の数が合わずに買い足すことはよくあります。旧居の退去時には原状回復費用やハウスクリーニング代が敷金から差し引かれ、足りない分を請求されることもあるので、契約書の特約を事前に確認しておきましょう。

冷蔵庫や洗濯機を処分する場合は家電リサイクル料金もかかります。費用の目安と手続きは家電リサイクル券の記事で詳しくまとめています。

一人暮らしと家族の総額イメージ

ここまでの目安を足し合わせると、一人暮らしの引っ越しの総額は通常期で40万〜70万円程度になります。家族の住み替えでは業者の料金だけで10万〜20万円を超え、初期費用も家賃に比例して増えるため、100万円前後を見込んでおくと安心です。どちらも物件の条件次第で大きく変わるため、見積もりと物件の初期費用明細をそろえてから最終的な予算を固めてください。

業者の料金を1万円下げる工夫より、敷金・礼金ゼロや仲介手数料の安い物件を選ぶほうが総額への効果は大きくなります。まず初期費用の明細から見直すのが近道です。

引っ越し後の固定費の相場を投稿データで確認

引っ越しの予算で見落とされがちなのが、新居で毎月払い続ける固定費です。業者の料金は一度きりですが、電気・ガス・ネット回線・スマホの料金は、その家に住んでいる限り毎月かかり続けます。ここでは「となりのインフラ」に投稿された241件の実データをもとに、世帯別・カテゴリ別の固定費の相場を編集部で集計しました。

世帯別の毎月の固定費

投稿データの平均では、単身が月15,761円、2人暮らしが月22,408円、ファミリーが月28,853円でした。単身の場合、1年間の固定費は約19万円となり、通常期の引っ越し料金の約3倍にあたります。引っ越しは業者選びだけでなく、新居の契約を決め直すタイミングでもあると考えると、見直しの優先度が見えてきます。

カテゴリ単身(78件)2人暮らし(80件)ファミリー(83件)
電気5,544円8,719円12,566円
ガス2,782円4,909円6,378円
ネット回線3,576円4,677円5,697円
スマホ1,983円2,154円2,237円
合計(水・サブスク含む)15,761円22,408円28,853円

各カテゴリの平均は、そのカテゴリを登録している投稿のみで計算しています。ウォーターサーバーやサブスクは登録のある投稿が一部のため、合計欄とカテゴリ別の合算は一致しません。

最安構成の実例

単身の投稿で固定費がもっとも安かったのは、福岡市博多区・1Kの構成で月9,778円でした。電気はLooopでんき、ネットは工事不要のソフトバンクエアー、スマホはpovo2.0という組み合わせで、単身平均より月約6,000円、年間では約7.2万円安くなっています。この差額は、単身の繁忙期と通常期の引っ越し料金の差(約1.9万円)の3倍以上です。

2人暮らしでは和歌山市・2LDKの月17,010円、ファミリーでは長野県佐久市・2LDKの月20,090円が最安でした。どちらも光回線は地域系やキャリア系を選びつつ、スマホを格安SIMにしている点が共通しています。

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新居で決め直す4つの契約

引っ越しでは電気・ガス・ネット回線の手続きが必ず発生するため、そのまま旧居の契約を移すのではなく、新居の条件に合わせて選び直すのが効率的です。特にネット回線は、新居の設備によって使える回線が変わるうえ、開通工事に数週間かかることもあります。手続きの全体像は引っ越し手続き一覧で時期別に整理しています。

  • 電気は、新居のエリアで選べる電力会社とプランを比べる
  • ガスは、都市ガスかプロパンガスかを内見時に確認する
  • ネット回線は、建物の対応回線と工事の要否を早めに調べる
  • スマホは、自宅回線とのセット割も含めて見直す

引っ越し費用を相場より安くする方法

相場を把握したら、次は自分の引っ越しの費用をどこまで下げられるかを具体的に考えます。料金を下げる手段は、業者の選び方、日程の選び方、荷物の減らし方の3つに分けて考えると、何から手をつけるべきか整理しやすくなります。すべてを実行する必要はなく、引っ越し日や荷物量など、自分の条件で動かせるものから取り入れれば十分です。

相見積もりと日程の調整

最も効果が出やすいのは、複数の業者から見積もりを取って比較することです。同じ荷物と日程の条件でも業者ごとに数万円の差が出ることは珍しくなく、他社の見積金額を伝えることで値下げに応じてもらえる場合もあります。日程に余裕があるなら、繁忙期を避け、平日の午後便やフリー便を指定するとさらに下がりやすくなります。

荷物を減らす工夫

運ぶ荷物が減ればトラックのサイズが小さくなり作業員の人数も減るため、料金も連動して下がります。使っていない家具や家電は引っ越し前に売るか処分し、本や衣類など急ぎでない荷物は宅配便で先に送る方法もあります。段ボールを自分で用意し、見積もりの前に荷造りの範囲を決めておくだけでも金額が変わることがあります。

初期費用の交渉と物件選び

総額に占める割合が大きい初期費用は、物件選びの段階で差がつきます。敷金・礼金ゼロの物件、フリーレント付きの物件、仲介手数料が半額の不動産会社を選ぶと、数万〜十数万円単位で変わることがあります。閑散期であれば礼金や家賃の交渉に応じてもらえるケースもあるため、申し込み前に不動産会社へ一度相談してみましょう。

  • 見積もりは3社以上から取り、条件をそろえて比べる
  • 日程を業者に任せられる場合はフリー便を相談する
  • 初期費用の明細は項目ごとに必要性を確認する
どの方法も「必ず安くなる」わけではありません。業者の空き状況や物件の条件によって結果は変わるため、複数の選択肢を並べて比べることが大切です。

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引っ越し費用の相場に関するよくある質問

最後に、引っ越し費用の見積もりや支払いについて、よく寄せられる疑問をまとめます。細かなルールは業者ごとに異なるため、実際の契約前には見積書と約款を必ず確認してください。キャンセル料の基準は、国土交通省が定める標準引越運送約款をもとに説明します。支払いのタイミングも業者によって作業前・作業後と分かれるため、あわせて確認しておくと安心です。

見積もりはいつ頼むのがよいですか?

通常期であれば、引っ越しの1か月前を目安に見積もりを依頼すれば、希望の日程に十分間に合うことが多いです。3〜4月の繁忙期は予約が早く埋まるため、1〜2か月前には動き始めると、希望の日程や時間帯を押さえやすくなります。退去日と入居日が決まった段階で、すぐに複数社へ依頼して日程を仮押さえするのが確実です。

見積もり後に料金が上がることはありますか?

見積もり時に申告していなかった荷物が当日増えた場合や、搬入経路に問題があってクレーン作業などが必要になった場合は、見積もりとは別に追加料金が発生することがあります。訪問見積もりやオンライン見積もりで荷物をすべて見てもらい、見積書に含まれる作業範囲や追加料金の条件を確認しておくと、当日の食い違いを防げます。

キャンセル料はかかりますか?

標準引越運送約款を採用している業者であれば、引っ越し日の3日前までのキャンセルであれば料金はかかりません。2日前のキャンセルは運賃等の20%以内、前日は30%以内、当日は50%以内のキャンセル料がかかる場合があります。約款と異なる独自の規定を設けている業者もあるため、契約時に見積書の記載を確認しておきましょう。

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まとめ

引っ越し費用の相場は、通常期の目安で一人暮らしが約6万〜8万円、2人暮らしが約10万円、3人家族が約13万円、4人家族で約17万円です。3〜4月の繁忙期にはここから2万〜6万円ほど上がり、賃貸の初期費用を含めた総額は一人暮らしでも40万円以上になることがあり、業者の料金だけで予算を組むと不足しがちです。

一方で、新居の固定費は投稿データの平均で単身でも月約1.6万円かかり、年間では引っ越し料金を大きく上回ります。業者の相見積もりで一度きりの料金を抑えつつ、新居の電気・ガス・ネット・スマホを選び直して、毎月の支出まで含めて引っ越しを組み立てていきましょう。